キューブが揃う原理と、そこに至る考え方を学ぼう
前回までの記事で、ルービックキューブを始めるまでの前段階が終わりました。
今回の記事では、いよいよキューブを手に取り、6面完成やその他の目標に向けてのアプローチ方法についてお伝えしたいと思います。
もしあなたが
「ルービックキューブを揃えてみたい」
「1分以内で6面完成させてみたい」
「ルービックキューブを特技にしたい」
とお考えでしたら、ぜひ読んでみてください。
初心者が最初に手にするおススメのキューブは前回お伝えした通り。詳しくは前回記記事をご参照ください。
初心者オススメのキューブはコチラ
6面完成までの道のり。初心者こそ考え方が重要。
ルービックキューブ初心者がまず目指すのは
「6面完成」だと思います。
ここで、その6面完成までの道のりを初心者目線でお伝えします。
筆者アジの現在のレベル(キューブ歴1か月)
単発ベスト:32秒
5回平均ベスト:42秒
現在は新しい手法に切り替え中で平均60秒程になっています。
私が初心者だからこそ感じた注意点がいくつかありますので、これからキューブを始める人には見てほしいと思います。
揃え方は無限にある。早く揃えられるのは「魔法」。
よく、こんな動画を見かけます。
「キューブを知らない人がグチャグチャに混ぜたキューブを子供に手渡し
そのキューブを渡された子供が目にもとまらぬ速さで6面を完成させる」、というものです。
周囲の大人は驚き歓声を上げます。
果たして、この子供はIQ200を超える天才少年なのでしょうか。
答えは、「なんとも言えない」です。天才かもしれないし、努力家かもしれないし、とりあえずキューブは上手い、とでも言いましょうか。
ルービックキューブで6面を揃えたことが無い人(私もそうでした)が、キューブを速く揃える人を見ると「頭がいい」とか「天才」とか思いますよね。どうやってこのグチャグチャなキューブを理解して動かしているんだ!とかね。
大前提としてみなさんにわかっていただきたいのは
「ルービックキューブには解法という魔法がある」ということです。
前の記事でも触れた通り、速くルービックキューブを揃えるスピードキュービングの発展によりその解法はどんどん洗練され、新たな解法・メソッドが生まれています。
つまり、グチャグチャになったキューブを、考えて組み立てているように見えて(実際考えてはいるんですが)、メソッドに当てはめて素早く動かしている「だけ」なんです。
ルービックキューブは6面が揃った状態=26個のパーツが元通りになった状態
と言い換えることができます。
合計26個のパーツを、元あった位置に戻してあげる。元に戻すための目印として色がついている。という逆説的発想がとても重要だと思います。
誰しもが経験のある状態がコチラ
よくあるパターンですね。色を揃えていって、揃ったと思ったら他が崩れて迷子になる。あるあるだと思います。
色を揃えようとして動かして、目で追ったり頭を使ったとしても、自力で6面を揃えるのはとても難しいことだと思います。
そこで必要になるのが
「解法・メソッド」です。
6面を揃えるまでには、数えきれないほどの解き方がありますが、その中でも
- 最短に近く揃うかもしれない難しい方法
- 分かりやすい手法のみで揃えられるけど時間がかかる方法
- ちょっと難しいし最短ではないけどけどスピードもあるよ、な方法
など、様々な解法が開発されています。
現在のルービックキューブには、段階ごとに様々な解法が揃っています。むしろ始めるなら今です。
実際に「最短で」揃えることは不可能に近いです。人間の判断力、それに合わせた動きを混ぜると、どうしても最短にはなりません。ですので、人間ができうる動きの中での最短が「最速」ということになります。
スピードキュービングに関しては私も実際に面食らいました。色を揃えているのではなく、「最短ルートでの復旧」をしている感覚に近いからです。
そのことを理解してルービックキューブに向き合うと、今まで難しかったルービックキューブが、「解いている」というより「組み立てている・作っている」という感覚になると思います。
ルービックキューブは「解く」んじゃない。
「組み立て」るんだ。
キューブ初心者にオススメの解き方はどれ?
では、実際ルービックキューブの初心者が最初に選ぶべきメソッドはどういったものになるのでしょうか。
選び方の目安やメリット・デメリット、私なりの考え方についてお伝えします。
この章は少し長くなりますが、これからキューブを始める初心者の方にこそしっかり読んでいただきたいです。
現在の大正義「CFOP」法とは
現在のスピードキュービング界において最もメジャーな解法・メソッドが
「CFOP法」です。
「シーフォップ」か「シーエフオーピー」などと呼ばれます。
この先どんなメソッドを選んだとしても、行きつく先は今のところ、この「CFOP」になります。そこを押さえておきましょう。
CFOP法についての詳しい解説は初心者用のこのブログでは省きますが
要約すると
C(CROSS)を作って
F(F2L)を作って
O(OLL)を動かして
P(PLL)で完成
という工程になります。頭文字をとって「CFOP」です。
① C(クロス・十字)を作って
②F2L(最初の2層)を作って(First 2 Layers)
③OLL(最後の層の向き合わせ)を整えて
④PLL(最後の層の位置合わせ)で完成
ここでポイントとなるのは
「下の段から順番に作っていっている」ということです。
「LBL法」とも言われます。
「Layer By Layer」のことで、層を順番に積み重ねていく、ということですね。
「CFOP」に至るまでのアプローチこそがメソッド
前段でお伝えした「CFOP」法。
下層から積み上げていくのはわかったけど、どうやってやるの?
とお思いでしょう。その各段を解決していくのがこれから紹介する「メソッド」です。
つまり
「CFOP法」がメインストリームですが、その「C」「F」「O」「P」のそれぞれに解法が存在し、それを習得することでCFOPが完成する、ということです。
いよいよ本題。どの解き方を覚えたらいいのか。
この章では、実際に初心者向けのメソッドをいくつか試してみた筆者アジの考える
「初心者はこのメソッドやってみよう」
をお伝えします。
メリットやデメリットもあわせてどうぞ。
他にも「ツクダ式」や「コーナーファースト」などのメソッドがあり、私も全てを試したわけではありません。ただ、「CFOPに行きつく」と考えた場合におすすめなメソッドになります。
①簡易CFOP
私が今、イチからルービックキューブを始めるとしたら、この方法をオススメします。
「簡易CFOP」というだけあって、CFOPへ至るロードマップがはっきりわかります。
「簡易」はいい意味での「簡易」で、初級者でも覚える手数が非常に少なく済みます。
「デイジークロス」「セクシームーブ」「スーン」といった決まった手順を覚えることにより、6面完成します。
このメソッドで慣れれば1分切りは余裕でしょう。
さらに
自身の成長具合に応じて、中身の各スキルをアップグレードできることにより、最終的にCFOP法のメインストリーム解法へ一直線です。
②高橋メソッド
最初のキューブ記事でも触れた、高橋メソッドです。
このメソッドの強みは何と言っても
「簡単な1動作を覚えたら完成する」という点です。
「6面完成させたいけど、動作覚えるの苦手な気がする…」という方はこのメソッドをおすすめします。
私は実際にこの高橋メソッドで6面の揃え方を覚え、キューブの楽しさに気付きました。
スピードキュービングをしている方の記事や動画を見てみると、高橋メソッドへのちょっとした批判(批判とまでは言わない批評)が目に入ります。その点をデメリットとして一応お伝えしておきます。
F2Lの完成までは、「ほぼ簡易CFOP」である。しかし、その後の動作において、「1動作のみ」の使用に縛られることで、余計なフェーズが生まれている。その余計なフェーズはステップアップに寄与しないものである。というのが私の捉え方です。
つまり、「1動作のみの強み」が逆に手数を増やしている。そして、その手数は元来「ムダ」なものである。ということです。
上記の事象は「キューブができる人」が見たからこそ生まれる視点だと私は思います。
私は「簡易CFOP」「高橋メソッド」両方で育った人間ですが、誰しもが最初から「30秒以内」なんて目指してキューブに触ってないと思うんです。その点で、ゆっくりではあるが1つの動作で6面を揃える楽しみを共有できる高橋メソッドは素晴らしいと思います。
今の私から見たら、確かに「F2Lのあとにひっくり返して・・・」というフェーズはありえない話ではあるのですが、それは初心者には関係のないことです。覚えやすくて忘れにくい、確実に毎回6面揃えられる成功体験って、ルービックキューブにおいてとても大事だと思います。
正直、高橋メソッドで1分を切るのはなかなか大変です。簡単であるがゆえに、遠回りをしているのは事実です。それでも、キューブを揃える楽しさや、指の動かし方を覚えるのには素晴らしいメソッドだと思います。
高橋メソッドでは「右動作」「左動作」という動きだけでほぼ完成します。その各動作は正式には「逆セクシームーブ」と呼ばれる動きです。
「逆セクシームーブ」は、よく使う技法「セクシームーブ」の逆再生になるのですが、私は高橋メソッドをやっていたおかげで、「セクシー」も「逆セクシー」もスムーズに使えるようになりました。これもある意味ではメリットですね。
以上2つのメソッドが初心者にオススメの揃え方になります。
ルービックキューブ初心者の用解き方まとめ
今回の記事では、ルービックキューブの解き方に対する考え方と、そのアプローチ方法、また初心者が触れてほしい解法(メソッド)についてお伝えしました。
繰り返しになりますが、私もキューブ歴1か月のド初心者です。そんな私でも1分を切ることができたのは、今日紹介した二つのメソッドがあったからだと思います。
先人たちの知恵に感謝しつつ、今日のまとめです。
- キューブが揃うのは考えてるんじゃない、解法をなぞってるだけ
- 解法をなぞるには理解と努力が必要
- 現在の主流は「CFOP法」
- CFOPを完成させるためにメソッドを学習しよう
- 「簡易CFOP」と「高橋メソッド」がおすすめ
- 「簡易CFOP」はステップアップしやすい
- 「高橋メソッド」は手順が簡単
以上が本日のまとめです。
皆さんもこの記事を見て、キューブの楽しさを少しでも感じてくれれば幸いです。